モビンギの幸道です。前回に引き続きAWSビリングのスポットネタです。AWSドキュメントのわかりづらい部分について、アシスト情報をお送りしたいと思います。
この回はMobingi Advent Calendar 2018 3日目の記事も兼ねてます。
今回はAWSのリザーブドインスタンスが想定している通り適用されているのか確認する手順を解説したいと思います。
RI(リザーブドインスタンス)に関してはサービス毎に適用条件が色々と複雑な部分も多いので、今回はEC2を例に整理しました。
元のAWS公式資料はこちら↓
RI(リザーブドインスタンス)の適用ルールの話
https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/UserGuide/apply_ri.html
RIが割当てられてるかの確認方法
そもそもリザーブドインスタンスが割当てられてるか確認する方法として、以下の方法があります。
①UsageReportsのカバレッジで利用率を確認する。
残念ながらPayerアカウントからしか確認できないので、利用できる権限が限られてしまいます。
②CostUsageReportのCSVデータから確認する
Linkedアカウントの場合、CostUsageReportsのCSVデータを入手できるのであれば、この方法で確認していくことができます。
過去のブログで書いたlineItem/LineItemTypeの値が「DiscountedUsage」のレコードを確認することになります。
RIが想定通り適用されているかの確認方法
そもそもリザーブドインスタンスが、購入時に見積もった通りに適用されているのか気になるのが心情ではありますが、、、残念ながらコンソリしている場合、AWSのドキュメントを見る限り「いい感じに最安で適用しておくよー」が主なロジックになります。
このロジックから除外したい場合は、「RI共有から除外」の設定を行うのですが、今回の話とは関係ないので割愛します。
ひとまず、Linkedアカウント上で購入したリザーブドインスタンスが、そのアカウント内で想定通り適用されているのか気になります。
1.まずCURを用意しましょう
2.その次に、「DiscountedUsage」の請求レコードを抽出します。
3.どのアカウントのリザーブドインスタンスが適用されているのか確認。
「2.」で抽出した請求レコードの「reservation/reservationARN」項目をチェックします。
この値に含まれるAWSアカウントIDがLinkedアカウントのIDと異なる場合、他のアカウントから適用されていることになります。
画像部分の黄色ところが他のAWSアカウントIDだった場合が該当するケースになります。
4.次に購入したリザーブドインスタンスがLinkedアカウント内で、どの程度適用されているか確認。
これはリザーブドインスタンス購入数が月あたりの大よその上限になるので、「DiscountedUsage」として適用されている総時間を「reservation/reservationARN」による条件を加えて算出します。
5.最後に、on-demandの利用時間でリザーブドインスタンスの適用対象になるものがないか確認。
適用対象に該当するがon-demandとして算出されている場合、「1時間あたりの適用上限」に該当していないか追加で確認します。
この確認は、リソースIDの出力を有効にするか、hourly単位によるCURデータから判断すると良いでしょう。
ざっくり判断する場合は、該当のインスタンスサイズでフィルタした上で、lineItem/UsageStartDateとUsageEndDateの期間をチェックしてみると確認できます。
このときlineItem/LineItemtypeをUsageとDiscountedUsageにフィルタすると効率よく探せます。
確認できたら何を検討するか?
これで、想定した通りにリザーブドインスタンスが適用されているのか判断できるようになります。
基本的なRI適用条件から勘案して適用時間が少ないようであれば、購入したリザーブドインスタンスが他のアカウントに共有されていると判断できます。
基本的なRIの適用条件とは?
ドキュメントにあるリザーブドインスタンスの適用例から抜粋すると以下の流れで制限や優先的な割当が行われます。
・1時間単位の適用上限
・ゾーンRIからの優先割当(共有可能なものがあれば先に消化)
・所有のリージョンRIからの割当
・リージョンRIによる柔軟性判定を元に低サイズインスタンスから割当
他アカウントへの共有が多く発生するのであれば、「RI共有から除外の設定」を行うか、支払いアカウントを独立した運用等を検討することになります。この辺りはリザーブドインスタンスをLinkedアカウント側で購入・運用する際の全体の運用ルールに当たるので、必要に応じて管理者等に相談することになります。
まとめ
文章でまとめると短くなりますが、事務作業として対応するにはかなり時間がかかります。
過去にアカウントの社内運用を経験した身としては、手を出したくない作業です。(苦笑)
自社でアカウントのRIまで運用管理している場合に一番面倒な部分だと思いますが参考になれば。
それでは、また〜。
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